飲食店営業許可とは

福岡市博多区の行政書士つる(@ryoya_tsurusawa)です。

皆さんは行きつけの飲食店はありますか?

私は行きつけの定食屋さんがあり、食べきれないほど食事やデザートが出てきます。

量が多いのはうれしいのですが、30代で胃が小さくなったのか、同じ量を食べるのがキツくなってきました笑

そんな飲食店ですが、食品衛生法で定められている営業許可32業種の1つ「飲食店営業許可」が必要です。

どういった営業形態の場合、許可が必要になるのか?

知らないうちに無許可営業をした場合、どうなるのか?

今日は、飲食店営業許可について説明します。

飲食店営業とは

ポイントは3つです。
食品を調理する
その場又は短期間のうちに消費される
設備を設けて客に飲食させる

店舗例として、食堂、料理店、すし屋、蕎麦屋、弁当屋、レストランなどがあります。

酒類のみの提供や露店・キッチンカー(移動販売)、ベーカリーも対象です。

以下、厚生労働省の解釈です。

飲食店営業とは、食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業。 

飲食店営業の対象となる「調理」とは、その場で客に飲食させるか、又は、短期間のうちに消費されることを前提として、一応摂食しうる状態に近くなった食品を変形したり他の食品を附加したり、あるいは調味を加えたりなどして飲食に最も適するように食品を加工成形することをいうこと。

短期間のうちに消費されることの判断基準としては、調理した者から消費者に直接販売されるか又は食品表示法上、表示義務が免除される対面販売であることなどが想定される。

引用:厚生労働省 食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政省令の制定について

ただし、簡易な飲食店営業については、施設基準を一部緩和しています。

一方、飲食店営業の許可が必要ない例として、既製品の肉まんなどを蒸して販売する場合があります。
許可ではなく届出が必要です。

飲食店営業のうち、次に掲げる簡易な営業については、飲食店営業の施設基準を一部緩和する。

簡易な飲食店営業の対象となる調理の具体例としては、以下のとおりである。

(ⅰ) 既製品(そのまま喫食可能な食品)を開封、加温、盛り付け等して提供する営業
(食品例:そうざい、ハム、ソーセージ、スナック菓子、缶詰、おでん等)

(ⅱ) 半製品を簡易な最終調理(揚げる、焼く等)を行い提供する営業(食品例:唐揚げ、フ
ライドポテト、ソフトクリーム等)

(ⅲ) 米飯を炊飯、冷凍パン生地を焼成する営業

(ⅳ) 既製品(清涼飲料水、アルコール飲料等)及び既製品以外の自家製ジュース、コー
ヒー等の飲料を提供する営業

あんまんじゅう、肉まんじゅう等まんじゅうの既製品を蒸して販売する行為については、従来の取扱いを踏襲し、飲食店営業としては取り扱わず、営業届出の対象とする。

引用:厚生労働省 営業許可業種の解説(P2-3)

次に、飲食店営業許可に必要な「人的要件」「場所的要件」「設備的要件」を説明します。

人的要件

人的要件は「欠格要件に該当しないこと」「食品衛生責任者を施設ごとに1名置くこと」の2つです。

欠格要件

・ 食品衛生法または同法に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けなくなった日から2年を経過しない者

・ 食品衛生法の規定により許可を取り消されて、その取り消しの日から2年を経過しない者

・ 法人であって、その業務を行う役員のうち上記のいずれかに該当する者がある場合

引用:食品衛生法 第55条2項

食品衛生責任者を施設ごとに1名置くこと

以下、食品衛生責任者になることできる者です。

・栄養士・調理師・製菓衛生士等の有資格者

・食品衛生責任者養成講習を修了した者

・食品衛生監視員又は食品衛生管理者となることができる人

引用:食品衛生法施行規則 別表第十七

場所的要件

住居地域や住居専用地域では営業所面積に制限があります。また、工業専用地域では営業できません。

設備的要件(福岡県)

主な要件を抜粋しています。他にも多数の要件があります。

また、業種や都道府県によって異なるのでご注意ください。

HACCPに沿った衛生管理

2021年6月から食品の営業許可を取得するには、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理に取り組むことが義務化されました。

HACCPとは、一定のルールに沿ってしっかり管理すれば、食中毒を防ぐことができる優れた管理方法です。

営業許可を取得する食品製造者や販売者などは、HACCPに沿った衛生管理(小規模営業者は、HACCPの考えを取り入れた衛生管理)が求められます。

HACCPと言うと、難しく聞こえるかもしれませんが、衛生管理を整理して一部を文書化して記録すれば大丈夫です。

制度の詳細については、厚生労働省のホームページでも紹介されています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

飲食店を開業する際、「人的要件」「場所的要件」「設備的要件」「HACCPに沿った衛生管理」を理解して様々な準備をする必要があります。

併せて、複数の提出書類も必要です。

もし、無許可営業をしたら2年以下の懲役または200万円以下の罰金です。

知らなかったでは済まされないのが法律の怖いところです。

もし、飲食店の開業準備でお悩みでしたら身近な行政書士に相談されることをおススメします。

私の記事が飲食店営業許可の理解につながれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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