飲食店の7Sとは

福岡市博多区の行政書士つる(@ryoya_tsurusawa)です。

今日は、飲食店のHACCPの土台となる7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)について説明します。

衛生管理がしっかりしている店は、整理・整頓・清掃や社員の意識がしっかりしていますよね。

不要なものがないこと、ものの置き場が決まっていること、トイレの清掃が5回以上/日など

食中毒汚染や異物混入などの危害分析も大切ですが、まずは日常の7Sを見直すことをおすすめします。

7Sは衛生管理の土台ですので、習慣化できるとHACCPに取り組みやすくなります。

衛生管理の進め方がわからない方は、ぜひご参考ください。

では、7Sの各項目について説明します。

整理

整理とは、必要なものと不必要なものを区別し、不必要なものを処分することです。

7Sの第一歩です。

現場で作業されている方は、必要なものと不必要なものの区別がつくかと思います。

ただし、「もったいない」「いつか使うかもしれない」ので、とりあえずそのままにしようと考えるかもしれません。

経営者も現場を知らないことにより要・不要の判断ができず、使うかもしれないなら現状維持になるかもしれません。

そこで、要・不要の判断が難しい場合は、期限を決めて一時的にものを保管し、その間に1度も使用しなければ処分する判断が大切です。

「もったいない」のは、必要かもしれないものを残すことより、不要かもしれないものを置くことで整理・整頓・清掃の妨げになることです。

整頓

整頓とは、決められた場所でものを管理することです。

整理ができて、初めて整頓ができます。

整頓の重要なことは、①決めた位置に、②決めたものを、③決めた数だけ、置くことです。

①~③の結果を、誰が見てもわかるように表示し、表示・色で識別するようにします。

例えば、店内のロッカーに店内で使用する緑色のほうきを3本置くなど。

対して、店外のロッカーに店外で使用する青色のほうきを3本置くなど。

上記のような、誰が見てもわかりやすい管理が大切です。

清掃

清掃とは、ゴミや汚れがないように掃除しながら、ものを点検することです。

整頓ができて、次に清掃へ進みます。

清掃は、清掃の頻度や方法を具体的に決めて取り組みます。

適切な頻度・方法で清掃することで防虫・防鼠対策になります。

また、終業後の片づけだけが目的ではないので、安全に食品を提供するために必要な準備であることを意識して取り組むことが大切です。

いつも落ちていない部品が落ちていた場合、設備の一部が壊れているのではないかとその場で確認します。

異常が起こる前に原因に気づくことができるので、清掃しながら点検することを心がけましょう。

洗浄

洗浄とは、水・湯・洗剤などを利用して洗うことです。

適切な頻度・方法で洗浄することで微生物や汚れを除去できます。

ただし、清掃と同様に、食器や器具の汚れをとる後片付けが目的ではなく、次の作業を行うための前準備として取り組むことが大切です。

食器や器具にひびや割れがないかを確認することで異物混入を防ぐことができます。

殺菌

殺菌とは、微生物類を増殖させないよう抑制することです。

食品安全の最大の目標は、食中毒を発生させないことです。

そのための微生物汚染対策として、最も重要な作業が殺菌です。

十分な洗浄を通しても、ほとんどの微生物は除去できますが、一部の微生物は洗浄だけでは不十分です。

状況に応じて、次亜塩素酸ナトリウムやアルコール、漂白剤などで消毒・殺菌を行いましょう。

躾とは、整理・整頓・清掃・清潔・洗浄・殺菌の基礎にあたり、ルールを決めて習慣化することです。

決めたルールを従業員が守れる環境がないならば、何をやってもうまくいきません。

ルールが守れない状態ならば、状況に応じて対応します。

【躾の3パターン】

①ルールを知っていて守らない場合

ルールを守らないことで起こるリスクを言い聞かせる必要があります。

例えば、手洗いをしない従業員がいる場合、「不十分な手洗いは食中毒の原因になるから駄目だよ」と面倒くさがらずに指摘することです。

②ルールを知っていて、守れないor守りにくい場合

ルールそのものを見直す必要があります。

従業員と相談し、改善策を練りましょう。

③ルールを知らなかった場合

ルールの目的を理解するまで教えることが必要です。

特に、新人や外国人労働者に対してしっかり教育する必要があります。

ルールを周知させるために、口頭や文書だけではなく、図や絵を用いることで理解が深まります。

つる

面倒ですが、日々の教育の積み重ねがルールの理解につながります。

清潔

清潔とは、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌を躾で維持し、見えない所まできれいな状態であることです。

具体的には、異物混入・微生物汚染・化学物質汚染が起こらない環境をつくること、異常な状態であることにすぐ気づけるような状態にすることです

7Sの目的は、この清潔を達成することです。

清潔を維持すれば、食品の安全につながります。

まとめ

いかかでしょうか?

7Sでは、飲食店の清潔を維持するための手段として、日頃から整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌を実施します。

そして、躾でルール作りをし、習慣化することで清潔が維持できます。

まとめると、下のようになります。

最終目的である清潔を維持することで、飲食店の清潔につながり、食の安全を通して、消費者と飲食店を守ることができます。

いきなり全てを積み重ねるのは大変ですが、7Sを一つ一つ積み重ねていき、食の安全を通して消費者の安全と飲食店を守りましょう。

もし、飲食店の衛生管理でお悩みでしたら私にご相談ください。

私の記事が7Sの理解につながれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

「行政書士鶴澤怜也事務所のホームページ」