深夜酒類提供飲食店営業とは

福岡市博多区の行政書士つる(@ryoya_tsurusawa)です。

コロナ禍が落ち着き、居酒屋で飲み過ぎて終電を逃したことはありませんか?

私は何度か終電を逃し、そのまま三次会に突入しました笑

そんな居酒屋ですが、深夜営業するには公安委員会への届出が必要です。

どういった要件を満たしたら、届出が必要になるのか?
届出をしなかったら、どうなるのか?

今日は深夜酒類提供飲食店営業について説明します。

深夜酒類提供飲食店営業とは

●定義
バー、酒場等、深夜(午前0時から午前6時)において、設備を設けて客に酒類を提供して営む飲食店営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。)

①酒をメイン提供する
②深夜営業する(0~6時)

の2つがポイントです。

深夜営業している居酒屋やバーなどは「①酒をメイン提供する」の要件を満たしているので、開店の10日前に届出が必要です。

対して、24時間営業の牛丼屋やファミレスも、お酒を提供していますが、「①酒をメイン提供する」の要件を満たしていないので、届出は必要ありません。

牛丼屋やファミレスは、お酒をメインで提供する店ではなく、付随的にお酒を提供する店だからです。

次に、3つの要件(人的要件・場所的要件・構造的要件)について説明します。

人的要件

風俗営業と違い、人的要件はありません。

ただし、深夜営業でも保健所管轄の飲食店営業許可が必要ですので、飲食店営業許可の人的要件を満たさなければなりません。

場所的要件(福岡県の場合)

用途地域による制限はありますが、保全対象施設との距離制限はありません。
都道府県によって、制限が異なるのでご注意下さい。

以下、深夜酒類提供飲食店営業できる用途地域をまとめています。

出典:風営法施行条例(福岡県)第27条

まとめると、住居の文言がある用途地域では、深夜酒類提供飲食店営業できません。

構造的要件(福岡県の場合)

① 客室の床面積は、9.5㎡以上あること。ただし、客室が一室のみの場合、制限なし。

引用:風営法施行規則 第99条第1項1号

・「客室」とは
客が飲食のために実際に使用する部分のことで、従業員のみが使用する部分は含みません。

※客室に含めるもの
椅子・テーブル、ソファー、カウンター、ボトル棚、衝立など

※客室に含めないもの
調理場、カウンターやレジの内側、従業員の更衣室、クローク、洗面所、押入・廊下など

② 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

引用:風営法施行規則 第99条第1項2号

見通しを妨げる設備とは、高さ1ⅿを超える仕切り、パーテーション、観葉植物が該当します。

③ 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

引用:風営法施行規則 第99条第1項3号

ヌード写真・ポスターが該当します。

④ 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所の外に直接通ずる客室の出入口については、除く。

引用:風営法施行規則 第99条第1項4号

個室に鍵を設けてはいけません。

⑤ 営業所内の照度が20ルクスを超えること。

引用:風営法施行規則 第99条第1項5号

20ルクスとは、10m先の人の顔や行動が識別でき、誰であるか分かる程度の明るさと言われています。

また、照明の明るさを調整する調光器(スライダックス)は使用できません。

⑥ 騒音又は振動の数値が条例で定める数値未満に維持されるため、必要な構造又は設備を有すること。

引用:風営法施行規則 第99条第1項1号

引用:風営法施行条例(福岡県)第7条関係 別表第三

つる

福岡県は、上記の表の数字未満を維持しなければなりません。

その他の要件

●営業上の禁止行為
① 18歳未満の者を午後10時以降、翌日日出時までの間に接客業務に従事させること、及び客として立ち入らせること

② 20歳未満の者への酒類又はたばこを提供すること

③ 深夜に客引き行為をすること

④ 接客従業者(営業所で客に接する業務に従事する者)に対する拘束的行為をすること

引用:風営法 第32条第3項、第33条第6項

加えて、深夜酒類提供飲食店営業では、接待と遊興は認められていません。

もし、客に接待や遊興する場合、風俗営業許可が必要ですのでご注意ください。

この時、同じ営業所での深夜酒類提供飲食店営業の兼業は、原則として認められません。

なぜなら、兼業の条件として「営業の継続性を完全に断る」を満たさなければならないからです。

具体的には、深夜0時に一旦従業員や客を全て退出させ、会計も全て終了しなければなりません。

風俗営業は接待できますが、深夜酒類提供飲食店営業は接待できないので、設備的な切り替えも必要になります。

ですので、1つの店に2つの営業形態の店を両立させることは、事実上かなり厳しいです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

居酒屋やバーで深夜営業する場合、深夜酒類提供飲食店営業に該当します。

深夜酒類提供飲食店営業するには、飲食店営業許可の取得や場所的要件・構造的要件をクリアした上で、開店の10日前に届出しなければなりません。

仮に、無届営業や虚偽の記載をしたら50万円以下の罰金です。

知らなかったでは済まされないのが法律の怖いところです。

もし、居酒屋やバーの開業でお悩みでしたら身近な行政書士に相談されることをおススメします。

私の記事が深夜酒類提供飲食店営業の理解につながれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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