行政書士試験の勉強法と教材(令和2、3年度受験者)

福岡市博多区の行政書士つる(@ryoya_tsurusawa)です。

この記事を見られている方は、行政書士試験の勉強法について知りたいと思われているでしょう。
近年の行政書士試験の合格率は、10~15%です。

ネットでは比較的簡単との情報もありますが、実際のところはどうなのか?

令和2年度試験172点不合格
令和3年度試験202点合格(記述抜き178点)

今日は、合格した私が実際に行った行政書士試験の勉強法について解説します。

・行政書士試験受験時のスペック
【年齢】32歳(令和3年度試験)
【学歴】理系の大学院卒(法律知識ゼロ)
【保有資格】FP2級、秘書検定2級
【学習方法】完全独学

●結論
・法律知識ゼロの初学者の場合、完全独学だと約1000時間の勉強時間が必要
・市販の教材で十分に合格可能

勉強計画と勉強法について

約14ヶ月間、約1200時間勉強しました。

使用した教材とスマホアプリです。

使用した教材

合格革命テキスト・肢別過去問・千問ノック・40字記述式多肢選択式問題集

LECウォーク問 過去問題集(法令・一般知識)

公務員試験スーパー過去問ゼミ民法Ⅰ・民法Ⅱ

公務員試験過去問クイックマスター文章理解

国家試験受験のためのよくわかるシリーズ(憲法、行政法、会社法)

民法がわかった改定第5版

ケータイ行政書士ミニマム六法

試験にデル判例2020-2021年版

市販の予想模試5冊(13回分)※おすすめの予想模試:LEC、TAC、合格革命

使用したスマホアプリ

六法

パブロフ行政書士1問1答

勉強計画

まず、勉強を始める前に記述抜き180点、記述30点の210点を目標に勉強計画を立てました。

配点と難易度を考慮した勉強時間と優先順位です。

①民法400時間
②行政法400時間
③憲法100時間
④一般知識100~150時間
⑤商法・会社法50~100時間
⑥基礎法学25時間以下

民法と行政法で勉強時間の8割近くを占めます。

民法と行政法を攻略しない限り、安定合格ライン(記述抜き180点)に届かないからです。

勉強法

合格革命テキストを1、2回読んだら

①スーパー過去問ゼミ民法Ⅰ・Ⅱ5周以上
②肢別過去問5周以上
③千問ノック5周
④ウォーク問5周
⑤40字記述式・多肢選択式問題集5周
⑥予想模試

の順で解きました。

インプット3割(テキスト・解説を読む)アウトプット7割(問題を解く)を意識して勉強しました。

1~3周目は理解すること4周目以降は記憶することを重視して問題を解きました。

解いた問題には、下記の3つのルールで日付とマークをしました。

①完全に理解した上で正解した場合、解いた日付+〇
②たまたま正解した場合、解いた日付+△
③不正解の場合、解いた日付+×

5周目以降は直近3周以内に△と×がついた問題のみ解きました。

3周連続で〇がついた問題は、解きませんでした。
△と×をなくすことに時間をかけたいからです。

そして、本試験3ヶ月前の8月から市販の予想模試を解きました。
時間配分を意識して2時間45分で解くのがおすすめです。

本番では普段より慎重になるので、模試の時から早めに解くと本番で気持ちに余裕ができます。

ここから科目ごとに説明します。

基礎法学

難易度:やや難しい
目安の勉強時間:25時間以下
目標点:5肢択一式4/8点

配点が少ないので、特に対策はしてません。

教材は、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問だけで大丈夫です。

5肢択一式の結果は2問中2問正解でした。

憲法

難易度:やや難しい
目安の勉強時間:100時間
目標点:5肢択一式12/20点
+多肢選択式4/8点=16/28点

過去問が少なく、条文知識だけでなく、判例や学説からの出題もあります。
ただし、条文数が少なく、判例も有名どころを抑えればよいので勉強しやすいです。

多肢選択式については、判例を中心に勉強していたため、裁判員制度の問題が出題され手も足も出ませんでした(笑)

教材は、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問だけで大丈夫です。

5肢択一式の結果は5問中3問正解でした。
多肢選択式の結果は8点中0点でした。

行政法

難易度:普通
目安の勉強時間:400時間
目標点:5肢択一式68/76点
+多肢選択式12/16点
+記述式10/20点=90/112点

ウォーク問と肢別過去問を5周以上解きました。

記述対策は、出題傾向が高い行政手続法、行政不服審査法や行政訴訟法の解説を意識して読み、キーワードを暗記すればよいです。

この際、試験2ヶ月前頃から取り組むことをおすすめします。
なぜなら、択一式の正答率が9割以上ないと記述は解けないからです。

どうしても模試や肢別過去問・ウォーク問だけで不安でしたら、記述の問題集を購入することをおすすめします。

私は不安に負けて購入しましたが(笑)、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問を完璧にすれば大丈夫です。

教材は、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問だけで大丈夫です。
※記述に不安があれば、40字記述式・多肢選択式問題集もおすすめします。

5肢択一式の結果は19問中17問正解でした。
多肢選択式の結果は16点中14点でした。

民法

難易度:難しい
目安の勉強時間:400時間
目標点:5肢択一式32/36点
+記述式20/40点=52/76点

テキストをざっと読んでから公務員試験スーパー過去問民法Ⅰ・Ⅱを5周しました。

ただし、スーパー過去問の難問は国家公務員総合職・司法書士レベルなので解かなくて大丈夫です。

ある程度、民法の全体像が頭に入ったら、肢別過去問→ウォーク問をひたすら解きます。

コツは、理解を中心に進めることです。

最初は法律用語の定義を調べたりして、解説やテキストを何回も読むことになるとは思いますが、そうした積み重ねが安定した点数につながるかと思います。

記述対策は、出題傾向が高い箇所の解説を意識して読み、キーワードを暗記すればよいです。
この際、試験2ヶ月前頃から取り組むことをおすすめします。

なぜなら、択一式の正答率が9割以上ないと記述は解けないからです。

教材は、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問・スーパー過去問だけで大丈夫です。
※記述に不安があれば、40字記述式・多肢選択式問題集もおすすめします。

5肢択一式の結果は9問中7問正解でした。

商法・会社法

難易度:難しい
目安の勉強時間:50~100時間
目標点:5肢択一式12/20点

過去問が少なく、条文が非常に多いので最も勉強効率が悪い科目です。

深入りは禁物で、過去問のみを完璧に抑え、過去問の出題実績が少ない箇所は捨ててもよいです。

教材は、合格革命テキストと肢別過去問・ウォーク問だけで大丈夫です。

5肢択一式の結果は5問中2問正解でした。

一般知識

全体の難易度:普通
目安の勉強時間:100~150時間
目標点:5肢択一式36/56点

目標点と難易度の内訳です。
「政治・経済・社会」
12/28~32点 難易度:やや難しい

「情報通信・個人情報保護」
12/12~16点 難易度:普通

「文章理解」
12/12点 難易度:易しい

24点未満だと足切り不合格になるので、優先順位は商法・会社法より高いです。
ただし、あくまで足切りを超えれば良いので、深入り禁物です。

それよりも行政法と民法に時間をかけたほうが良いです。

「政治・経済・社会」は範囲が膨大かつ時事ネタが多いので、過去問があまり役に立たず点数が取りにくいです。

過去問を1~2周して問題の傾向をつかみテキストを1読したら、新聞やYahooニュースを意識して読むくらいで良いかと思います。

半分とれたらラッキーくらいの気持ちで大丈夫です。

「情報通信・個人情報保護」と「文章理解」は比較的解きやすいので、過去問を中心に勉強しました。

「情報通信・個人情報保護」は条文学習と過去問学習を徹底しました。
条文数も少なく勉強しやすいので、満点を目指します。

「文章理解」は、公務員試験過去問クイックマスター文章理解を2週解きました。

公務員試験の文章理解の方が難易度が高いので、行政書士試験の文章理解に十分対応できます。
こちらも満点を目指します。

教材は、合格革命テキスト、肢別過去問・ウォーク問とクイックマスター文章理解だけで大丈夫です。

5肢択一式の結果は14問中10問正解でした。

おすすめの教材

合格革命テキスト

テキストは自分が見やすいと感じた予備校のテキストで良いかと思います。
本屋でパラパラとめくって感覚で選べば良いです。

どのテキストもよくまとまっています。
私は合格革命シリーズの問題集を購入することを決めていたので、合格革命を選びました。

ただし、どのテキストを選ぶにしても問題集とテキストは同じ出版社にしたほうが良いです。

テキストと問題集がリンクしているので、別々だと効率が悪いからです。

合格革命肢別過去問

1問1答形式なので細かい理解が深まります。
過去に出題実績が多かった箇所もすぐにわかるので、メリハリをつけて勉強できます。

また、オリジナル問題のレベルも高いので、このテキストをほぼ完璧に理解すれば大丈夫です。

解説が不十分なところは、テキストやスーパー過去問民法で補います。

LECウォーク問 過去問題集(法令・一般知識)

解説が異なることで理解が深まることがあり、過去問は2社の出版社を解いたほうがベターです。

また、こちらの過去問は本試験と同じ形式(5肢択一式・多肢選択式・記述式)ですので、実戦形式で問題を解くことができます。

公務員試験スーパー過去問ゼミ民法Ⅰ・民法Ⅱ

独学で民法を学習する上でマストです。
過去問集ですが、重要ポイントと解説がテキストの役割をしています。

解説が非常に細かく、合格革命のテキストには記載されていない論点を多く記載してます。

問題の種類は必修・基本・応用・難問がありますが、難問は国家公務員総合職・司法書士レベルなので解かなくても大丈夫です。

重要ポイント・必修・基本・応用・問題の解説をほぼ完璧に理解すれば大丈夫です。

公務員試験過去問クイックマスター文章理解

文章理解対策で中古で前版を購入しました。

行政書士試験と出題形式が似ている問題だけピックアップして、2周したら本試験で満点でした。

行政書士試験より難易度が高いので、文章理解対策は過去問とクイックマスターで大丈夫です。

市販の予想模試

LEC、TAC、合格革命が使いやすいです。
時間配分と理解度を計るのに役立ちます。
また、多肢選択式・記述式も対策できます。

おすすめのYouTube動画

行政書士試験 独学応援

もし、私が1年目でこの動画を見ていたら、教材選びに苦戦せず、一発合格できたかもしれません。

独学を目指す人は必見です。佐藤先生のおかげで2回目の受験で合格できました。

フォーサイト 憲法を読む

憲法の勉強時間を短縮する目的で、寝る前や家事中に聞いていました。

読むより聞く方が楽ですので、条文学習にはおすすめです。

まとめ

完全独学は不安との戦いです。

この教材だけで大丈夫だろうかと、他の教材に手を出す気持ちはわかりますが、厳選した教材を完璧に理解して暗記すれば合格できます。

ただし、今回紹介した教材を用いても自信がないのであれば、通信教育や予備校を検討されてもよいかと思います。

私も通信教育等を1年目から利用していれば、もっと少ない時間で合格できたかもしれません。

私の記事がこれから行政書士試験に挑戦される方のお役にたてるとうれしいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

「行政書士鶴澤怜也事務所のホームページ」